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sketch687

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2月20日
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テレビで宮崎駿監督のアニメ映画「風の谷のナウシカ」が何度目かの放映になっておりましたので、この話題について。

といいますのも、今の私は宮崎監督が「ナウシカ」をつくっていた時の年齢になってしまいました。

映画「ナウシカ」の原作は宮崎駿監督自身の漫画で、漫画の方は物語もはるかに複雑で、人間というものの存在についての示唆に富み

愚行を繰り返す者や諦念する者、そのなかでかすかな希望としての聖なるものへのあこがれなど、宗教的な領域までも踏み入れた世界は

青年期の私に強い印象を残しました。宮崎監督の世界(=人間)を見る目はこの時すでに広く深く、創作した世界に甘さがほとんどみられません。

歳は同じくせに、今の私には世界(=人間)があまりよく見えていません。まるで自分のまわりの5kmくらいで世界が終っているかのようです。

私がいま仮に世界を創作しようとしても、人間の住めそうにもない世界をつくってしまう気がします。(なんとか住めるとしても窮屈な世界を。)

人が生きるために必要なものの多くが私には欠けていて、それが私を観察者の枠におしとどめ、創作者になれない理由のような気がします。